ご挨拶

一般社団法人日本看護研究学会第41回学術集会
会 長   宮 腰 由 紀 子
(広島大学 教授)

 

 一般社団法人日本看護研究学会第41回学術集会は、2015年(平成27年)8月22日(土)・23日(日)に、広島市の平和記念公園内にある広島国際会議場において、メインテーマ「日本から世界へ 看護、発信! -いのちと暮らしを支える 和と輪と環と話-」を掲げ、開催させていただきます。会員の皆さまをはじめ多くの皆さまの御参加を賜りますよう、謹んでご案内申し上げます。
 メインテーマには、急速に変貌する国際的保健医療のうねりの中へ、日本の看護の知をより多く伝えよう、という思いを込めております。日本の看護実践活動で展開されている丁寧でしなやかに調和した適切な看護を、受けたり目にした国内外の人々から賞賛の声が寄せられております。こうした日本の看護の知を、確実に検証し蓄積し、その成果を他が理解しやすく判り易く発信することは、世界の看護にとっても有意義なことです。
 今回の学術集会では、そうした理念と活動についての基調講演の下に、検証と実践と発信を中心にプログラムを展開いたします。発信するには、看護する己れと看護の相手を良く知ることが大切です。そこで、看護の対象である<いのち>を考える特別講演、活動の背景にある日本文化の源を探る特別講演、人と人の出会いに必要な異文化理解についての教育講演をお願いしました。検証に関しては、ビッグデータの看護への活用についての鼎談、看護活動へのロボット活用に代表される工学分野との協働についてのパネルディスカッション、看護活動における語り介入の効果評価についての教育講演をお願いしました。さらに、倫理委員会、編集委員会、国際活動委員会それぞれから、研究活動に資するための特別交流集会を行います。実践活動では、シンポジウムで地域に根ざした看護活動実践報告をもとに今後の取り組みを考えて参ります。また、他職種協働実践活動で問われているリハビリテーション看護の課題について、特別交流集会での検討を期待しています。教育活動では、ボローニャ改革がもたらした欧州看護教育の現状と課題を、放射線看護を切り口に御提示頂き、グローバル化の中の今後の教育を検討していただきます。そして、放射線防御と看護について、被爆地ヒロシマから皆さまへのメッセージと、放射線医学の最前線の教育講演を受けて、特別交流集会で討議を深めていただきます。
 広島市で19年ぶりの開催にあたり、学会本部の支援の輪と、全国各地の会員・関係者・支援者の皆さまから頂戴しております協力の環を受けて、中国・四国地方会運営委員会を中心とした多くの仲間たちの和をもって、関係者一同、鋭意準備を進めております。
 第41回学術集会が、参加者の皆さまにとって、ご発表ならびに活発な意見交換、情報交換の場として、有意義なものとなるよう祈念しております。多くの皆さまの御参加を、心よりお待ちいたしております。